私の改革支援の根幹にあるもの
2014/06/04
久しぶりのブログです。
約一カ月ぶりのブログですが、この間いろいろありました。
少し落ち着いてきましたのでこれからも、時々、書いていきたいと思います。
一昨日、製造会社の幹部クラスを対象にした講演を行いました。
テーマは「あなたが動けば周りが動く 〜普通の社員でも組織を変えることができる〜 」
事例として私がいすゞ自動車で体験したことの一部を紹介しました。
まさに、田舎の中学を卒業して上京、普通のサラリーマンが体験したことです。
なぜ、一歩踏み出したのか、なぜ活動できたのか、について話をさせていただきました。
講演の狙いは製造会社の幹部の皆さんの中から一人でもチャレンジしてほしいと考えたからです。
以前、私の講演を聞いていただいた方が、他の製造会社の人にも聞いたもらってはどうかと紹介していただいたのです。
1991年から1999年まで活動した話で、随分昔の話ではないかと言われそうですが、今の企業の状況はその当時と変わっていませんので十分参考になる話です。
なぜなら、その当時と変わっていないというより悪くなっているからです。
一歩踏み出す人も少なくなっています。
ガッツのある人がいない・・。
さて、本題です。
「私の改革支援の根幹にあるもの」ですが、講演の資料をまとめる過程で、いすゞで何を大事にして活動してきたのかあらためて考えてみました。
それは今も仕事だけでなく家族との向き合い方にも出ていると思います。
私がこれまで経験してきた改革の進め方は、
改革手法」を上から一律・一斉に導入するやり方
・○○推進室、□□委員会などを設置する
・専任メンバーが一生懸命に手法を勉強
現場に「資料をつくれ」「データを出せ」「手法を取り入れろ」とやらせる
というやり方でした。
そういうやり方によって以下のようなことが現場で起きていました。
「やらせる側」と「やらされる側」との対立関係
・やった振りをする ・形だけを整える ・形骸化した成果発表
・膨大で無駄な資料づくり ・進捗会議の対策のための会議
改革を持続するエネルギーの減退
・経営層・管理者層に対する不信感・あきらめ感の増大
・個人の自発性・当事者意識・効力感・考える力の減退
私も「やらせる側」にいましたのでこれまでの改革のやり方では本当のエネルギーは出ないことを身に染みて体験してきました。
改革の転換期になったのはいすゞが四百数十億円の赤字になった時です。
赤字になり経営再建に取り組んだ時に、これまで改革のやり方をあらためて新たな改革の進め方をしました。
それは、
社員の自発的なエネルギーを引き出しながらソフト面(風土体質)とハード面(制度・しくみ・具体的な仕事の仕方)の両面から変化を起こしていく改革でした。
私はソフト面(風土体質)の改革活動に参加しました。
活動の根幹にある人間観は、
・人間は多様である
・人はもともと自分の頭で考える力や自発性を持っている
・周りの環境や条件次第で考える力や自発性の発揮度が変わってくる
です。
今も、私の風土改革の支援現場での人の見方、根幹にある人間観は変わっていません。
その根幹にある人間観がお客さまと共感できないと支援できません。
しかしお客様側にもいろいろな考え方の人がいますので支援のあり方で葛藤があります。
それと一緒に支援しているコンサルメンバーとも葛藤があります。
自分の頭で考えることが大事だと言いながら、支援する側が主導しているように見える。どこまで私たちが主導すればいいのか、この判断基準が違う、人それぞれです。
この違いによる頭の中の葛藤が一番大変かな、大事な葛藤ですが・・、支援のプロセスを議論する時にその違いが出てきます。
・人間は多様である
・人はもともと自分の頭で考える力や自発性を持っている
・周りの環境や条件次第で考える力や自発性の発揮度が変わってくる
こういう人間観でお客様と向き合っていると楽しく仕事ができることがわかりました。
これからも、この根幹にある人間観を大切にしていきたいと思います。
手塚利男
(コアネットワークデザイナー&コアネットワーキングするスパイダーマン)
★「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか」(日経ビジネス人文庫)
★手塚利男の『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』(Nanaブックス)
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カテゴリ:風土改革支援現場に立って思うこと