軽微な事故・災害でもきちっと上に上がって一緒に対策を考えることができる組織風土をつくる
2013/11/24
先日、青森で開催された「安全衛生大会」で「事故を“本質的”に予防するための組織風土の観点から管理者に求められる役割」というテーマで管理者にむけて話をさせていただきました。
私に講演依頼をされたきっかけは、主催者が拙著「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか」を読んでいただいたことからだと当日お聞きしました。しかも、20冊も購入していただいたとのこと、うれしかったです。
集まった人は150人強。
演台より観客席が高い位置にあり少し圧倒されましたが、申し上げるべきはきちっと申し上げようと考えて管理者にとっては厳しい内容で話をさせていただきました。
内容は以下の通りです。
- 組織の構造には目に見えない構造があり、その目に見えない構造が風土であり、目に見えない構造の部分に本質的な事故・災害防止のヒントがある。
- 事故防止のための仕組みや制度を作っても風土に問題があれば機能しない。
- 管理者のマネジメントスタイルが職場の風土を作っており、その風土が部下の思考行動に表れる。
- 風土が部下の思考行動に影響している例、それが事故・災害を大きくしている。例えば、「工場の火災事故」「休業災害を隠すために送迎車を出してまでも出勤させる」「忘れた、気がつかなかった、という理由付けが多い」等。
- 事故・災害の起きていることの背景(風土)に目をむけること。
- 事故・災害を予防する風土の作り方。
- 「ハインリッヒの法則」という労働災害の経験則を活かすにはどうするか。
以上のことを話させていただきました。
そして、事故・災害を予防できる風土を作るのは管理者の大事な役割であることを重ねて主張させていただきました。
話の途中では、「もし、こういうことが出来ない管理者はその役を降りていただいたほうがよい」とまで言わせていただきました。
私の話をどう理解していただいたのか、確かめることは出来ません。時間の関係で質疑の時間は取れませんでしたが、お一人だけでも質問をいただいたほうが良かったと後悔しています。
また、一方的な話になってしまったなあと重い気持で青森を後にしました。
手塚利男
★「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか」(日経ビジネス人文庫)2013年5月
日経まナビ!「今週のイチ押し書籍」で紹介されています。
★手塚利男の『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』(Nanaブックス)
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★通信教育用テキスト本『活気あるチームのつくり方』手塚利男/アイ・イー・シー
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カテゴリ:風土改革支援現場に立って思うこと