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手塚利男のブログ

長時間労働を美徳としている組織風土を変えなければ働き方の問題は改善しない

2013/09/28

昨日の日経新聞5面に「働き方 効率高める」という見出しで日本での働き方の問題を改善するための仕組みや制度について触れていました。

 

日本企業のホワイトカラーの生産性の低さは昔から言われ続けてきたことです。

 

夜遅くまで残っていると「ご苦労さん」「頑張っているね」などと褒める。

 

その遅くまで残ってやっている中身が、上司に媚を売るためや保険仕事であまり意味のない仕事、上司が明日の会議で言い訳するための無意味な資料づくりであっても・・。

 

中には残業代を稼ぐために残っている人もいる。

 

目標を達していない人はより遅くまで残って“頑張り”で示す。

 

日本のホワイトカラーの生産性が低いと言われている原因はこの働き方を生む日本の組織風土にあります。

 

今から10年ほど前ですが、残業問題を組織風土からの視点で働き方を改革支援したことがあります。

 

作業改善や行動効率の改善、仕組みや制度を変えても、解決できないということでした。

 

その時も、夜遅くなる原因として、事務所にいることが働いていない証とみられ、とにかく現場に、お客様のところを行くようにと、事務所を追い出されます。

 

また、外での仕事が終わって早く事務所に戻ると、上司から「なんで早く帰ったのか?やることをやってきたのか?」と言われ、「目標は達成しているのか?」などと詰めが待っているので出来るだけ遅く事務所に戻っていました。

 

そして、遅く戻ってから、日報やお客様への提案書などを作成しますので、必然的に遅くなっていました。

 

そういう仕事スタイルが好まれる風土がその企業にありました。

 

今回、政府が乗り出しているようですが、株式会社ニッポンの組織風土、日本の気風を変えないと仕組みや制度を作っただけということになると思います。

 

長時間労働を苦にしないで頑張ったから今の日本がある、わが社の成功がある、という考えを捨てられない人たちが考え方を変えない限り株式会社ニッポンの長時間労働問題は解決しないのか・・?

 

 

手塚利男

 

 

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