営業と工場の関係
2013/04/22
先日、ある営業の方と話をした時のことです。
「お客様に頭を下げるのは苦にならない。しかし、会社に帰ってきて、お客様以上に身内である工場に頭を下げらなければ仕事を受けてもらえない。これ、結構きついんですよね」
さらに続いて、
「我々、営業はもちろんお客さまを向いて仕事をしています。工場も同じ方向を向いて仕事をしているはずですよね。ところが、工場は自分たちの効率を優先し、工場の都合で作ろうとしているようにしか見えません。おかしいでしょう」
と。
この話は、風土改革支援現場で、わりと多く、聞きます。残念なことです。
工場は工場で自分たちの効率を優先しなければならない理由があります。
例えば、工場側のアウトプットが見えやすい、問題が見えやすい、したがって経営の中で責任追及されるのは工場が多いということです。
それが、つい守りの姿勢になってしまい、いつの間にか、お客様を見ているつもりがいつの間にか内向きになっている。
今から10年ぐらい前の話になりますが、大阪にある会社でモノづくり革新の支援をしたことがあります。
テーマは「受注から3日でお客様に届けられる工場にしよう」です。
営業が受けた仕事はすべて3日以内に収めるというものです。
そのためにどういう工場でなければならないのか話し合い、営業からオーダーが入った瞬間から、仕事がとまらない流づくりに取り組みました。
そこには、先の営業の方の苦悩に満ちた話はでてきません。
工場側も3日で納入できることが自分たちの使命、腕のみせどころだと考えて改善に取り組みました。
ただし、製造側だけが取り組むのではなく、営業やお客様から一報を受け取った瞬間から、受注の窓口、設計、生産計画、 購買・調達、製造、検査、出荷、スタッフ、あらゆる部門が「3日」を意識して取り組みました。
このような取り組みをすることが大事だと思います。
手塚利男
株式会社プロフェスのミッション:
『出会いから改革の思いに火をともす』
★手塚利男の『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』(Nanaブックス)
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カテゴリ:風土改革支援現場に立って思うこと