不動の軸を持つ
2013/04/18
先日、風土改革支援先の会長と支援における今の変化の状況について情報交換をさせていただきました。
そこで会長がおっしゃったことに、自分でも感じていたことをズバリと言われた気がしました。
そのことは、私は、これまで、ミッション(使命感)を見失っていると考えてきましたが、現場に立ってみるとしっくりきませんでした。
それは、
「うちの幹部は、手塚さんたちから教えていただいている考え方や今の課題を示されて言葉では理解しているが行動が変わらない。それに対して、これまでなぜそうなのかとずうっと考えてきたが、ある時“自分の軸”がないからではないかと気づいた」
ということでした。
その方は学歴にハンディがあるにも関わらず大手の企業で実績を出して今があります。そういう経歴の方ですから、そのことに強く感じるのかも知れません。
私は中学を卒業していすゞに入りましたが・・。
軸を“強い思い・信念”と置き換えて考えてみると、これまで改革の支援先で出会った人の多くから、“変えよう”という強い思いを感じましたし、多少のリスクを取りながら動いた人は何らかの強い思いを持った人が多かったからです。
強い思い(信念)とは、自分の仕事や組織に対して、
「こういう仕事の仕方を変えたい」、
「こういうやり方は会社のためにならない」、
「こういうやり方は許せない」
「こういうやり方は自分が大事にしている考えとは違う」、
など、良い意味でのこだわりを持っているように思います。
「こうなったらいいなではなく、こうしたい、こうありたい、こうあるべき」という強い思い(信念)です。
そういう人は、常に「問題だ」と言っているために、扱いにくい社員と誤解されていることも多いように思います。
これまで長い間改革の支援をさせていただいたお客様の中に、一緒に活動された人が定年を迎えたのですが、雇用を延長していただいて一緒に活動していただけるのかと思っていましたが、延長されませんでした。
なぜ延長されなかったのですか?と聞くと、
「今の改革の流れにおいて、私の役割が見えなくなったので、辞めます。」
と、おっしゃいました。
人によっては、定年後の生活のために、多少は妥協してでも延長するという選択肢もあると思いますが、その人はそうはしなかった。
ある人は、この方とも5年間、一緒に活動してきましたが、自分の改革の役割を密かに持ち続けて定年延長されています。
“密かに”は説明が必要ですが・・・。
このように、仕事に思い(信念)を持った人は、生き方にも軸(思い・信念)があるように思います。
おそらく、その軸(思い・信念)は、これまでどのように生きてきたのか、社会や組織で起きることからどのようなインパクトを受けてきたのか、喜びや悲しみ、怒り、何くそという悔しい経験、先生からの影響、読んだ本、などなど、それらから形成されてきたのではないかと思います。
人によっては軸を持たないほうが楽と思っているかもしれません。
仕事の仕方にこだわればこだわるほど考え方の違う人との対立も起きます。
でも、多くの人は軸というか、思い、信念、こだわり、をどこかに隠してしまったように思います。
それは、そういうことを言動に表わすと、組織になじまない人と見られることを恐れているように思います。
先の会長は「なぜだろう」と考え続けた時に日経ビジネスに掲載されたコラム「自分の不動の軸を知る」を読まれて、これだと気づかれたとのことです。
手塚利男
株式会社プロフェスのミッション:
『出会いから改革の思いに火をともす』
★手塚利男の『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』(Nanaブックス)
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カテゴリ:風土改革支援現場に立って思うこと