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手塚利男のブログ

「どうやって社員が会社を変えたのか」のその後

2013/02/28

前にも紹介した「どうやって社員が会社を変えたのか」(日本経済新聞出版社)。

 

これは1990年から1996年のいすゞ自動車の風土改革活動を題材にした企業変革ドキュメンタリー本です。

 

風土改革は1996年後も続きます。私がいすゞを離れ関連会社に出向している間も改革を支援するようなイベントには関わりました。

 

しかし、私が2001年の8月に退職し風土改革の支援会社との契約が終了したのは2001年末ですので、元いすゞの社員としてその後のいすゞの様子がとても気になっていました。

 

 

昨日、「どうやって社員が会社を変えたのか」を読んだ現役のいすゞの社員の方と会いました。

 

その人は私が風土改革に関わっていた時も一緒に活動した1人です。

 

その人に、

「風土改革をやった後、2001年にいすゞで初めてリストラをやったけど、風土改革で残ったものは何ですか?」

 

と聞きました。

 

その人は、

 

「風土改革で培った組織の強さが残っていた。その強さがあったからリストラをやって人が少なくなり苦しかったけど頑張れたんだと思う」

 

と。

 

その話を聞いて、風土改革を通して、自分たちで変える力、主体性、自立性、が強くなったんだとあらためて思いました。

 

その人は、

 

「今、当時と比べて売り上げはあまり変わらないけど、利益率が高くなって好調。だけどその好調さを支えているのも、前の改革の財産。それを使い果たしたら先が心配だ」

 

とも語っていました。

 

更にその人は、

 

「リストラは2001年でやるのではなく1992年に乗用車事業からの撤退を決めた時にリストラをやれば良かったと思うが、経営への不信感など組織風土がガタガタの時にやれば組織がバラバラになったと思う。結果的にその時に乗用車事業に関係した組織(社員)や工場設備、販社、に手を付けなかったことが負債となり、後のトラック不況で大打撃を受け株価が30円台になるほど落ち込んでしまったが、ギリギリの選択だったと思う」

 

と・・。

 

ちなみに、2001年3月期 売上1兆5692億円、有利子負債1兆682億円、です。

 

 

これからもいすゞの社員の方で改革に関わった人、関わらなかった人との交流の機会を多くしてあの風土改革を振り返ってみたいと思います。

 

 

手塚利男

 

 

 

株式会社プロフェスのミッション:

『健全な風土づくりから健全な組織・社会をつくる』

 

 

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カテゴリ:ほっと一息

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