69歳介護士奮闘記~強い意志が残存機能を呼び戻すのか?
2021/07/05
2020年4月24日 介護現場に立って10日目。
日勤(8時30分~17時30分)だけでなく、遅番(10時~19時)にも入るようになる。
介護の3大介助は排泄介助、食事介助、入浴介助、と言われる
排泄介助と食事介助は日々対応する毎に慣れてきた
入浴介助を行うのはしばらく後のことになる
利用者さんのことが今まで以上に見えるようになってきた。
同時に人の意思と機能の発揮の関係の面白さも知った。
利用者さんのOさん
排泄介助時、両足を固く伸ばしてオムツの交換に毎回苦労する方。
わざとではないと思いたいが、わざとではないかとも思える。
それは恥ずかしさ、くやしさ、かもしれない。
昼食時のこと
テーブルに出されたのは「夏野菜のカレー」
Oさんはほとんど自分で食べる意思を示すことも少なく、ほぼ全介助である
今回も介助する準備をしていたところ、なんとご自分でスプーンを持って食べ始めた
「Oさん、自分で食べてます!!」
「Oさん、すごいね!」
と思わず声を出してしまった
これまでは一口食べてはしばらくお口を開けていただけないOさん
無理にすすめて誤嚥を起こすのではないかと毎回恐々でお手伝いしてきた
二度とご自分で箸やスプーンを持つことはないと見ていたがびっくりでした
自分で食べたいという意思があればスプーンを持つんだ
ただ残念ながら私が自分の目で見た感動的なOさんはそれが最後だった
その3ヶ月目には3階の担当から2階の担当に変わった
その後、Oさん、息をひきとるには時間の問題と聞いた
時々、じーっと私の顔を見るOさんのお顔は今も忘れない
施設に入る前は夏野菜カレーがお好きだったのかもしれない
介護現場に立って274日、Oさんのその感動的な行動を再現するために意思と残存機能の関係を追求して介護計画に生かせないか話し合いを提案できたと思う
カテゴリ:介護の仕事