働き方改革の先にあるもの
2017/07/08
働き方改革? 明日、どうやって食べようかという人たちからすると雲の上での話のように受け止めているように思います。
NHK朝の連続ドラマ「ひよっこ」を自分の青春時代と重ねて見ています。
主人公が家に仕送りするために進学をあきらめて茨木県から集団就職で都会に上京するシーンはまさに私が山形から集団就職列車に乗って上京した時の再現です。
そして、上野駅で就職先の人事担当者らしき人が迎えにきて、その人と社員寮にいくシーンも私が経験したこと、そのものでした。
入社後、初めて大人たちに交じって働きながら親に仕送りする、このシーンも同じような経験をした私にとって、懐かしくも、ちょっとだけしか仕送りしなかったという申し訳なかったという気持ちを思い出させてくれます。
私の場合は、入社後にすぐに職場に配属されたのではなく、3年間いすゞ自動車専修学校というところに入学していすゞイズムをしっかりと叩き込まれ、実際に職場に入って大人たちと仕事をしたのは入社4年目、18歳からでした。
「ひよっこ」の主人公のみね子さんは高卒ですから、みね子さんと同じ18歳で大人に混じって働き始めたことになります。
今、世の中では「働き方の改革」ということが話題になっていますが、あの当時、私も周りの大人たちもそんなことを考えもしないで食べるために働いていたように思います。
時代は、東京オリンピック、新幹線開通、大阪万博、など大きなイベントを目の当たりにし、真面目に働けばいつかは自分も豊かになれる、そういうときがくるんじゃないかと思っていました。
私の周囲の人たちも働くことで、家電やバイク、そして車が買えたり、結婚して家を建てたり・・・真面目に働けば誰でも豊かになれるとなんとなく考えていたように思います。
いすゞ自動車専修学校を卒業してから、設備保全、生産技術、工場革新活動、などいずれも現場で手を汚し、汗をかくという経験をしました。
「ひよっこ」をみて、希望を感じた現場時代が懐かしく思います。
真面目に働けば誰でも豊かになれるという時代ではなくなった今、「働き方の改革」の先に「真面目に働けば誰でも豊かになれる」というイメージは持てるのでしょうか?
カテゴリ:時事問題