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手塚利男のブログ

情報を故意に隠すと、時には国を危うくする

2012/08/21

ウチの社員は考えない、考える力が弱くなっているのではないか、

 

このような話は経営層や上司の方かもよくお聞きします。

 

しかし、実際にその社員と話をしてみると、決して考えない、考える力が弱いとは感じられません。

 

経営層や上司の方が“考えない”“考える力がない”と感じるとき、

 

それは、例えば、与えた課題に対する提案内容などのレベルが期待に達していない、レベルが低いと感じるとき、のようです。

 

先の社員のみなさんと話していると、意外ですが、その課題の背景などの情報がない、あるいは足りない、会社の状況が知らされていない、など、「情報」が共有されていないということがわかりました。

 

上記のような例は意外と多いように思います。

 

 

 

ところで、情報の共有と言えば、8月15日に終戦記念日の日にNHK総合のNHKスペシャルで『終戦、 なぜ早く決められなかったのか』が放映されていました。

 

とても興味があったので録画しました。

 

その録画を一昨日、観ました。

 

広島と長崎に原爆投下され、ソ連から北方領土に進攻されましたが、もっと早く終戦を決めていれば・・・という思いは多くの人が思っていることです。

 

早くから敗戦を覚悟し、終戦の議論をしていながら、なぜ早く決めることができなかったのか?

 

その背景には重大な情報が終戦を議論しているメンバー(軍、首相、外務省)の間で共有されていなかったというのです。

 

その情報とは何か、

 

それは、ソ連が日ソ中立条約を破棄して参戦するということを2月のアメリカ、イギリス、ソ連によるヤルタ会談で決定したという情報。

 

その情報は、 武官を通じて日本側に伝えられていた。

 

しかし、知っていたのは軍部だけだった。

 

私の苦手な歴史で知っているのは、ソ連が突然日ソ中立条約を破って参戦してきたということ。

 

実は突然ではなかった。一部の人達はすでにソ連の参戦を知っていたとのことです。

 

参戦してくるという情報を、軍部以外の天皇はじめ、終戦を検討しているメンバー(政府、首相、外務省)で共有していれば決断は早くなったのではないか・・。

 

軍はなぜそのソ連参戦の情報を隠していたのか?

 

軍は、アメリカ側に終戦をもちだす前に、少しでも有利な条件を引き出すために一撃を与えてから講和に入る、「一撃後に講和する」というシナリオにこだわっていたとのことです。

 

天皇もそのことを知っていて、「終戦の前に一撃なんて考えていないでしょうね」と幾度となくおっしゃっていたとのことです。

 

自分たちのシナリオにこだわって重要な情報まで隠した。

 

その結果は・・・・。

 

もう1つ、なぜ終戦を早く決められなかったのか、遅れた原因に公の会議での発言と個人の考え方が大きく違っていた。

 

個人の意見を聞くと敗戦やむなしと言っていながら、公の会議では強気の発言をするために現実を見据えた議論ができなかったとあります。

 

今でも、ありますね、自分たちの計画を進めるために、都合の悪い情報(データ)を隠す、都合の良い情報(データ)しか使わない。

 

会議では、本心と真逆のことを言う人、いますよね。

 

 

 

 

私のミッション:「出会いから秘めた変革の思いに火をともす」

 

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