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手塚利男のブログ

社内報でゆらぎが起きそうな記事を取り上げるのは勇気がいること

2011/09/18

先日、9月14日(水)に第1回社内コミュニケーション・シンポジウムがあり、私はパネリストとして参加させていただきました。

 

テーマは「社内コミュニケーション不全、その課題と対策」でしたので、社内報や広報を担当されている方が多かったですね。

 

私は、パネリストとして自己紹介を兼ねて10分ほど組織風土改革支援の現場で感じているコミュニケーション不全の課題について話させていただきました。

 

1つ目は、組織コミュニケーション不全と組織風土の関係

 

2つ目は、組織コミュニケーション不全とリーダーシップの関係

 

3つ目は、組織コミュニケーション不全と多く流れている情報の種類(組織の情報観)の関係

 

1つ目に上げた「組織コミュニケーション不全と組織風土の関係」では、組織風土を表す象徴的なものとして「暗黙のルール」があります。

 

「どうせ言ってもムダ、言い出しっぺが損をする」

 

「仕事の仕方は上の方が決めるもの、下が何を言ってもはじまらない」

 

「余計なことは言わない、やらないほうが無難」

 

など、けん制的な人間関係が強い風土。

 

こういう会社はコミュニケーション不全が起きていてもおかしくありません。

 

「余計なことは言わない、やらないほうが無難」という姿勢は社内報にもあるように思います。

 

同時に、社内報は、“社内”とは言っても社外の方にも読まれることがありますから、刺激するような、論争を生むような、社内の問題を外に知れるような記事など載せられるはずがないと受け止められています。

 

これも暗黙のルール。

 

しかし、その暗黙のルールを壊すことが風土を変えるきっかけになります。

 

私が勤めていた会社では、TQCに取り組んでおり、現場ではQCサークル活動も盛んでした。

 

しかし、途中から、実際の活動よりも発表重視になってきました。

 

ちょっとした活動を成功物語に着色する、小さな海老に衣をたくさん付けて大きな海老フライにするようなものでした。

 

全社大会にもなると、各部門が競うように大きな海老フライを出し合うようになってきました。

 

TQCの診断もそうでした。

 

そういうことが問題ではないかと水面下ではあちこちから出ていましたが公の問題とはなりませんでした。

 

ところが、その問題を社内新聞の記事にしたのです。

 

TQC活動に問題あり!

 

というような論調だったと思います。

 

その記事がきっかけにもなって、最終的には社長の判断でTQCへの取組みは中止となりました。

 

その記事を出した編集長は後に風土改革活動を引っ張っていく人になりました。

 

社内報でゆらぎが起きそうな記事を取り上げるのはとても勇気がいることですね。

 

サラリーマンで片手間にやっている編集担当者ではできないことかもしれません。

 

 

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