起業時の想い・背景がその後の歴史をつくるのか?
2011/08/21
今朝のTV朝日の「サンデー フロントライン」で特集していた『「技術は人のために」本田宗一郎 スピリッツ』を見ていて、どのような想いで起業したのかによってその後の経営が大きく異なり、それと同時に企業風土も変わってくるものだと改めて考えました。
車づくりへの強い想いが、まずはお客様に喜んでもらおうとエンジン付き自転車から出発したホンダ。
一方、私が勤めていた自動車会社は、軍需産業の一旦を担うという形で、太平洋戦争の直前から戦時中にかけて国策企業として開発をリード、最初から恵まれた会社。
「お客様に喜んでもらう」という視点とは違って、マーケットインの発想からは乏しく技術優先で良いものを開発すれば国が保証してくれるという、お客様は一般市民ではなくお役所・官僚。
従って、思考行動(組織風土)がお役所的になりやすい背景を背負った会社。
さらに、昭和20年代のドロ沼の労使紛争があり、その後、労使関係の安定重視、社内秩序の安定重視、安定重視を柱にした人事施策。
同じく昭和20年代のドロ沼の労使紛争を経験したT社は違う歴史を重ねますから、面白いです。
そういう歴史的な背景からできた企業風土を問題として1900年代に全社風土改革に取り組むことになります。
ホンダの起業時の想いは「技術は人のために」。
それが、ひょっとしたらハイブリット車開発にも表れているかもしれません。
ハイブリット車はトヨタが先頭を走っており、技術的には物凄いものがあるようですが、価格は庶民にはやや高め。
ホンダのハイブリット車は、トヨタ車とは装備されている技術は違うのだと思いますが低価格。
エンジン付き自転車から出発した会社のものづくりらしいと思います。
起業時の想いや背景が企業風土形成に強く影響し、モノ作りにも影響する、面白いですね。
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カテゴリ:風土改革支援現場に立って思うこと