どうして、現場の事実が上に受け止められたのか
2011/07/28
以前勤めていた会社で組織風土改革活動をしていた時に、同じ業界のトップのT社の社員と交流しました。
T社の社員の1人が言いました。
ウチは、私たちが問題と感じていることを言うと、「上は、何が問題だ。ウチの会社には問題はないだろう」と言って受け止めてくれないのです。手塚さんたちは、社員が問題だと言うとまずは聞いてくれるというのは羨ましいです。
と。
そのT社の社員の話を聞いて、どちらが人間として幸せなんだろうと思いました。
当時、私たちが風土改革活動をしていた時は会社も大赤字でした。何か問題があるのは当然で、上も受け止めざるを得なかったのでしょう。
しかも、社長自ら現場の問題には誠実に向き合ってくれていました。
また、社長と社員の対話が頻繁に行われていたので、旬な現場の問題はとても速く上に上がっていきました。
そうすると中間の上司たちも、否応なしに、現場の問題には早め早めの対応をしていました。
その結果、益々、現場からは問題が上がるようになっていきました。
会社が「人間がやることだから問題は起こるのは当たり前」という風土(雰囲気・環境)だと問題は上がり易い。
今、組織風土改革の現場で感じていることですが、現場で起きている問題が上に受け止められていないということです。
各業界のトップクラスにある会社ですから、先のT社のように、「問題はないはず。あっても小さな問題だ」というような受け止め方をしているように感じます。
従って、現場では、一見アヒルのように水面上は優雅に泳いでいるように見えますが、水面下では足をバタバタさせています。
それが、お客様の現場でも起きています。
社員の貴重な時間をムダ遣いしています。
トップ企業やウチは強い会社だと思っているところは要注意だと思います。
エコ的な働きができる「問題に誠実に向き合う、問題は起きるのは当たり前」という受け止め方ができる組織風土にしたいものです。
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カテゴリ:風土改革支援現場に立って思うこと