2010/05/28
不平不満を自由に言わせると組織(職場)がガタガタになると心配する経営者
組織風土改革の支援先で、「一度、社員の方が不満に思っていることや不安に思っていることを自由に話させてください」と経営側に申し上げます。
そうすると、決まって帰ってくるのは「手塚さん、不平不満を自由に言わせたら、組織(職場)がガタガタになってしまいます」という言葉です。
はたしてそうでしょうか?
私の経験では、例えば以前に勤務していた会社では“不平不満は大いに結構”ということで「なぜ赤字なんだ!」というテーマで、会社の悪口や経営批判、言いたい放題の場があちこちにできました。
また、組合が2つありましたので、組合が複数あることで、言いたい放題の場に参加した社員たちが「その組合」に合流するのではないかという懸念もされました。
しかし、結果的かもしれませんが、そういう動きはありませんでした。
その他、組織風土改革支援をさせていただいたお客様のところでも、言いたい放題の場を作りましたが、それが原因で組織がガタガタになったという情況を見ていませんし、聞いてもいません。
むしろ、組織風土改革スタート時に不平不満を言いたい放題言っていただいたほうが、その後の活動も上手くいきますし、不平不満を言いたい放題言う事でギスギス感が薄れて仕事の流れがスムーズになるのです。
数値的には言えませんが、それだけでも組織の生産性が向上していると思います。
私たちにとっても不平不満を言いたい放題言っていただいたほうが、その会社の組織風土の本質的な問題が見えやすくなるので風土改革シナリオが描きやすくなります。
ただし、先のブログでも書きましたが、不平不満を言いたい放題言っていただいた後のフォローが大事です。そこをきちんとやれば良いので、経営者の方には勇気を持って、不平不満を言いたい放題の「場」を是非作っていただきたいと思います。
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カテゴリ:風土改革支援現場に立って思うこと